わたしの名前はアルルゥ。

家族は、おねぇちゃんだけ。

おばあちゃんは、私をかばって死んでしまった。

私、悲しかった。

でも、友達が励ましてくれた。

私にも、いっぱい友達ができた。

いっぱい遊ぶことができた。

こんな楽しい時間がいつまでも続くと思ってた。

そう、あの日の、あの夜までは…。

ここは、辺境の小さな村。

ここにアルルゥ達は住んでいた。

小さな、この村はいつも活気づいていた。

この村の近くで倒れていたハクオロやカミュ、ウルトリィ

など新しい仲間が加わったである。

でも、彼女の姉のエルルゥだけはちがっていた。

この辺りを治める領主の息子、ヌワンギが彼女のもとを

尋ねてきた日から、彼女の様子が変わってしまった。

時々、何か思い詰めたような顔をしたり、

毎晩、夜中に裏山に一人で入っていくようになった。

そんな彼女をアルルゥは心配していた。

そしてある晩、彼女の後をつけてみることにした。

夜中、エルルゥは村のみんなが寝静まるのを見計らうと、

そっと家を出て、裏山へ向かった。

彼女が出ていったすぐ後にアルルゥも家を出て姉の後を追いかけた。

夜の山道は月明かりに照らされ以外に明るかった。

アルルゥは姉に気付かれないよう後をつけた。

だが、中腹辺りで姉を見失ってしまった。

とりあえず、そこら辺を探してみると、明かりのついた一軒の

古い小屋を見つけた。

アルルゥは、その小屋に近づくと中からに人のいる気配がした。

そこで、小屋の窓からそっと中を覗くと、中で一組の男女が性行為の真っ最中だった。

よく見ると、男は領主の息子ヌワンギだった。

その下で喘いでいる女性は、ヌワンギの体が邪魔で顔が見えなかった。

「そろそろ、出すぞ。」

「なっ、なかはだめっ、あっ。」

会話を聞いていると、女性の声がどこかで聞いた声に似ていることに気付いた。

そして、ヌワンギが体を起こしたとき、その疑問の答えが出た。

ヌワンギに抱かれている女性はエルルゥだった。

エルルゥは、苦痛と快楽の入り交じった表情で、必死にヌワンギの動きに耐えていた。

「だすぞ!!」

「だっ、だめぇぇ!!」

ヌワンギとエルルゥが一つになってる部分から白い液体がこぼれ落ちた。

絶頂を迎えた後、二人はしばらく動かなかった。

ヌワンギは満足そうだったが、エルルゥは目から大粒の涙がこぼれていた。

しばらくするとヌワンギは立ち上がり着替え始めた。

「明日、俺様はちょっと北に行って来る。

明日は来なくて良いぞ。」

「…………………。」

「返事は?」

「……はい…ご主人…様…。」

「お前は、俺様のペットだからな。それはよく覚えておけ。」

事の一部始終を見終えた後、アルルゥは山を下りた。

(なんでおねぇちゃんがあんな事を…。)

アルルゥの頭の中をいろいろな想いがよぎっていた。

そして次の晩、

何故かまたエルルゥは夜中に家を出た。

アルルゥは不思議に思い、またエルルゥの後をつけた。

アルルゥが、山道に差し掛かったとき後ろから声がした。

「何しているの?」

「あっ!!」

アルルゥが振り向くと、そこにはカミュがいた。

「しーー!!」

アルルゥは事の真相を告げると、

「じゃあ、私も付いていくよ。」

こうして二人でエルルゥの後をつけることにした。

エルルゥをつけていくと先日の小屋とは違い、河原にきた。

エルルゥはの大きな一枚岩上に行くと、そこで服を脱ぎ捨てた。

「何するんだろうね?」

「………」

「あんっ、くぅぅ・・」

二人が目を向けるとアルルゥは自慰を始めていた。

「エルルゥ、溜まってたんだね。」

「…………」

アルルゥは昨日の出来事が気になっていた。

「やぁっ、あっ、はっはぁ、んっ。」

アルルゥはしばらく自分の指で自分の秘部をまさぐっていたが、物足りないのか近くの小石を拾って自分の秘部にねじ込んだ。

「はっはっはっ、んっ。」

エルルゥの石を動かす指の動きが早くなる。

「やぁっ!!」

絶頂を迎えてアルルゥはひときわ大きな声を上げるとぐったりと横たわった。

「かえろっか?」

カミュがアルルゥに問いかけた。

「うん……。」

アルルゥ達が帰ろうとしたとき足下にあった枝を踏んでしまった。

「誰?」

絶頂の余韻に浸っていたエルルゥが飛び起きた。

二人は仕方なく姿を現した。

エルルゥは二人の姿を見ると、近くに置いてあった自分の服をつかんで逃げだそうとしたが、絶頂を迎えたばかりなので足に力が入らず、立つことができなかった。

エルルゥは観念したのか、その場に座り込んだ。

「エルルゥ相当溜まってたんだね。」

「ちがう…。」

「お姉ちゃん。話して、昨日のことも今日のことも。」

「見てたんだね。」

「ごめんなさい…。」

「ヌワンギが私が感じないからって、蔵にあったおばあちゃんが作った妙薬を

毎日飲まされてでも薬を飲まされていくうちにだんだん体の調子がおかしくなって、

一日に一度ぐらい逝かないと気が狂いそうになるぐらい苦しくなって、

しない日はここに来て…。私、もうダメかも知れない…。」

「そんな、弱気なエルルゥ、いつものエルルゥじゃないよ!!」

「でも、生理の血もなかなか止まらなかったり、体がしびれたり

めまいもしょっちゅうだし…。」

「そんな体なら、分かれちゃえばいいのに。」

「できないんだよ!!」

「えっ??」

「ヌワンギが、私があいつのペットにならなければ

村の税を倍にするって…。」

「そんな…。」

二人は唖然とした。

エルルゥは村を守るために経った一人で大きな問題を一人で背負い込んでいたのだ。

(ばしっ)

カミュの平手打ちがエルルゥの頬を打った。

「なんでそんな大事なこと話してくれなかったの?」

「だって、村の人達にばらしたらあいつ何をするか…。」

「あたし達、友達でしょ?エルルゥ一人で

そんな大事なこと背負い込む必要ないよ。」

「うっ、うわぁぁ・・。」

エルルゥはその場に泣き崩れてしまった。

アルルゥもエルルゥがこんなに泣くのを見るのは久しぶりだった。

泣き崩れている姉の姿を見てアルルゥの目に憎悪の色が浮かんだ。

翌朝

朝早くヌワンギは北への旅行の帰りエルルゥ達の村の近くを通っていた。

その時、草むらから何かが飛び出した。

「うわっ!!」

ヌワンギは驚いてひっくり返ってしまった。

飛び出した物をよく見ると、それはアルルゥだった。

「なんだ、エルルゥの妹か。びっくりさせんなよ・・。」

ヌワンギは、服の汚れをはたきその場を立ち去ろうとした。

そして、アルルゥの横を通り過ぎた瞬間、アルルゥが胸に忍ばせて置いた

小刀を、ヌワンギの心臓めがけて突き刺した。

「何故…」

「お姉ちゃんの仇っ!!」

アルルゥは全身の力を込めて小刀を突き刺した。

ヌワンギはしばらくのたうち回った後、動かなくなった。

アルルゥはヌワンギが動かなくなったのを見ると急いでその場をあとにし、

川で返り血を洗い流した。

その日の昼、ヌワンギの死体は発見されこれで全て丸く収まるかに思われた、

だがその日のうちに一帯の村に手紙が届けられた。

その手紙は領主からの物で、内容はヌワンギを殺した犯人が

明日の昼までに名乗りでない場合、付近の村を全て焼き払うという物だった。

村では、緊急の会議が開かれた。

「私が身代わりになります。」

名乗り出たのはハクオロだった。

「私は助けられた身、この村に恩がありますから。」

「しかし…。」

他の人々も考え込んでいたが話が決着思想になったそのとき、

「あの…。」

最前列で聞いていたアルルゥが手を挙げた。

「私が殺したの。」

「なんと!!」

村の人々全員がアルルゥに注目した。

「下手な冗談を…。」

「冗談じゃないよ。」

そう言うとアルルゥは血塗れの小刀を取り出した。

「この野郎!!何てコトしてくれたんだ!!」

近くにいた大人がアルルゥにつかみかかった。

「辞めて下さい!!」

エルルゥが仲裁に入った。

「私の、私のせいなんです…。」

「どういうことなんだ?」

今度は村人全員がエルルゥ注目した。

「エルルゥ…。」

「良いの、カミュ・・。」

エルルゥは今までのことを全て村人の前で話した。

話が終わるっても村人達は黙ったままだった。

「くそっ!!」

村の代表格のテオロが吐き捨てた。

「もう遅いお前達は寝なさい。」

ハクオロがエルルゥ達に告げると、二人は集会場を後にした。

その帰り道、

「アルルゥ。」

「何?」

「ありがとう。」

「えっ?」

「ううん、なんでもない。」

二人の会話はそれだけだった。

翌朝

集会場からハクオロ達が帰ってきた。

家の前にはアルルゥが座っていた。

「眠れなかったのか?」

「うん…。どうだった?」

「話は、平行線のまま決まらなかった。」

討論は徹夜で続いたが、結局決まらなかった。

「集会場でみんなで朝食を取ることにしたんだが、

エルルゥを起こしてきてくれ。」

ハクオロがそう言うとアルルゥが姉を起こしにいった。

だが、

「きゃぁぁぁ!!」

家からアルルゥの悲鳴が聞こえた。

ハクオロ達は急いで家に向かった。

家の中には、呆然としているアルルゥと布団の中で血塗になっているエルルゥがいた。

「一体これは…。」

ハクオロがエルルゥに近づくと、胸には小刀が突き刺さっていた。

脈を取ってみたが、もう脈はなかった。

辺りを見回すと、枕元に手紙が置いてあった。

内容はこうだった。

「村の皆様、自分勝手ながら先立つ事をお許し願います。

私はこの村が大好きです、だからこの村を無くしたくありません。

私の体を領主に引き渡して下さい。私はヌワンギと面会があります。

だから領主も私が犯人と思うでしょう。

最後にお願いが在ります。

アルルゥを宜しくお願いします。」

手紙をハクオロが読み上げるとカミュがその場に泣き崩れた。

「なんで死んじゃうんだよ…。

生きていれば、生きてさえしてくれれば楽しいことが

いっぱいあるのに…。」

カミュが泣いている横でアルルゥはただ呆然としていた。

そのアルルゥにハクオロが手紙を手渡した。

「おまえにだ。」

それは枕元にあった手紙の裏面に書かれていた。

「アルルゥ、貴方がこの手紙を読むときはもう私はこの世にいないでしょう。

貴方には迷惑ばかりかけてしまったね。私一人が我慢していれば

貴方にもつらい思いをさせずにすんだのにね。ごめんなさいアルルゥ。

アルルゥ、私が死んでも悲しまないで。貴方は甘えん坊だから泣いているかもしれないけど貴方にはこれから、一杯、一杯楽しいことが待っているから。

だから、私が死んでも悲しまずに、前を見て歩いて。

でもこれだけは忘れないで。私はいつも貴方の側にいるから。

                            エルルゥより 」

「おねぇちゃん…。」

アルルゥは手紙を読み終えると、動かない姉にしがみついて

泣き出した。

その後、エルルゥの遺体は領主達に引きわたれた。

村からは猛反発が起きたが、エルルゥ自身がそう願っているので、

村人も承諾した。

翌日、領主の館の前にエルルゥの亡骸が磔にされていた。

その体を嬲る者が後を断たなかったという・・・










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