ベルンに向かう馬車の中
そこにスーはいた。
約半日前スーが幽閉されている城に一人の男が来た。
「こんだけありゃ足りるでしょう。」
「おぉこんなに。」
男は看守の前に金貨を積んだ。
「しかし、あんなヤツで良いんですか?傷物ですし、
何しろ壊れかけてますよ。」
男の要求は、スーを金で買うというものだった。
商談はすぐに成立し、スーは男に買われることになった。
馬車の中、スーは一言もしゃべらず、ただうつむいていつだけだった。
馬車はベルンの風俗街の一角で止まった。
「さぁつきましたよ。ここが貴方の新しい家です。」
男の前には、売春宿が建っている。
「貴方はこれからここで働いてもらいます。まぁとりあえず
数日はここの生活に慣れなさい。」
男はそう言うと、スーを建物の一室に連れていった。
「ここが貴方の部屋兼、仕事部屋です。あ、そうそうここの部屋には
ルームメイトが来ますから。」
男はそう言うと部屋を出た。部屋は綺麗に清掃されていて
ベットが大小二つ浴室や洋服タンスまであった。それと
奥の部屋へ続く扉があったが、スーは気にしなかった。
そしてしばらくすると、先ほどの男が部屋に小さな少女を連れてきた。
「この子が貴方のルームメイトです。」
そう言うと男は部屋の鍵を閉めた。
少女はしばらく部屋を見渡したあとスーの元へよってきた。
「お姉ちゃん名前は?」
スーは少女の問いかけに気付きスーは薄目を開けた。
「わた・・しの・・なま・・え・・は・・スー」
「スーていうんだ、わたしの名前はファルよろしくね。」
そう言うとファルはスーの隣に座った。
「私、前からお姉ちゃんが欲しいと思ってたの。
スー姉ちゃん、私のお姉ちゃんになってくれる?」
「ええ。」
「やったぁ!!じゃあ早速遊ぼうよおねぇちゃん。」
ファルはスーにせがんだ。だが、
「お願い・・少し・・ねむ・・らせて。」
そう言うとスーはベットに横になり、深い眠りについた。」
それから数時間後…
スーは自分の名前を呼ぶ物の声で目が覚めた。
「お姉ちゃんご飯だよ、起きて。」
ファルがしきりにスーの体を揺すっている。
「わた・・しは・・いらないから・・貴方
一人で・・食べて。」
スーはそう言うとまた眠りにつこうとした、しかしファルは
あきらめなかった。
「私とおねぇちゃんは家族なんだよ。家族は一緒にご飯を
食べる物だっておばあちゃんがいってたよ。」
ファルがあまりにもしつこいのでスーは仕方なく体を起こした。
「分かった・・いっしょに食べましょう。」
スーはベットから降り、テーブルの上に置いてある食事をとった。
スーは一つしかないパンを二つに割り、大きい方をファルにあげた。
「おいしいね、お姉ちゃん。」
食事はパン一つとスープが二つしかなかったが、ファルは満面の
笑顔で言った。その笑顔を見てスーは、何かほっとしたような気分になった。
ファルがスーに与えた影響は大きかった。
幽閉生活の中で凌辱され、傷つけられ続けたスーに
とってファルは天使のような存在だった。
スーの傷ついた心を癒し、自我を取り戻したスーは、
時折笑顔さえ見せるまでに回復した。しかし数日後、
あの男がスー達の部屋に入ってきた。
「あなた方には、今日から店の方に立ってもらいます。」
男がそう言うと、スーが反応した。
「私が一生懸命働きます。だからこの子を店に出さないで下さい。」
スーが言うと、男は笑った。
「良いでしょう。但し条件があります。今から私の出す課題をクリアして下さい。」
男は近くの男に合図すると、大きな異形の張り型を持ってこさせた。
その張り型は、全体に鋭利な凹凸がついていた。
「今からこの張り型を貴方に入れようと思います。貴方はこれから
1時間、声を出さないで下さい。失神するのもNGです。まずは服を脱いで
股を開いて横になって下さい。」
スーは無言で服を脱ぎ、ベットに横になって股を開いた。
「ファルを外に出して。」
「あなたにどうこう言う権限は無いと思いますが?」
男は、スーの秘部に張り型をねじ込んだ。
「っ!!」
スーの顔が激痛で歪む。
「まだまだこれから。」
男は怪しく笑うと、張り型でスーの秘部をかき回した。
秘部の肉を裂かれる激痛に何度も声を上げそうになるが、
泣きながらスーを呼ぶファルを見る度、歯を食いしばり必死に耐えた。
そして1時間後、見事スーは責め苦に耐えきった。
しかし、膣内はズタズタに引き裂かれ、秘部近くのシーツは血で真っ赤に
染まっていた。
「この責め苦に耐えたのは貴方が初めてです。約束は守りましょう、あとこれを
傷口にぬっといて下さい。使い物にならなければ意味がありませんから。」
と言うと、男は特効薬を近くの男に手渡した。
男はスーの秘部に指を入れ、傷口に塗ると、見る見るうちに傷口はふさがった。
男達は、血塗れのシーツを交換すると部屋を出た。
「ごめんなさい、わたしのせいで、わたしのせいで。」
ファルはスーに泣きついた。
「良いのよ。もう痛みもだいぶ引いたし、貴方が無事なら私は
それで良い。」
と言うとスーはフィルを優しく抱きしめた。
その夜、二人は同じベットで寄り添うように眠った。
翌日
「準備は良いですね。」
男が遊牧民の服に着替えたスーに言った。
「ファルの方は私どもが、預かっておきましょう。」
「ファル、私はこれから仕事をしないといけないから、
それまでこの人達とまっててね。」
「うん。」
ふぁるがそう言うと男はファルを部屋から連れ出した。
娼婦の仕事は壮絶だった。一人の客が終わり体を洗うとまた
別の客に奉公しなければならなかった。
しかも客の中には強制排泄や、スーに暴行を加えるものもいた。
おかげでスーの体には傷ができない日がなかった。生傷はいい方で
悪い日は骨折する日さえあった。
そしてある日
その日は早めに店が終わったので、ファルと一緒に食事を取っていたとき、
スーがいきなり咳き込みだし、血を吐いた。ファルが急いで人を呼びに行こうとすると、
「やめなさい!!」
ファルを止めたのはスーだった。
「私が病気だと知れば連中は、貴方を店に立たせる。私はそれだけは
イヤなの。だからお願い言うことを聞いて。」
スーはファルに言って聞かせたが、その顔は血の気が引いていた。
その日からスーはファルを避けるようになった。
毎日咳が止まらなくなり、たびたび血を吐いていた。
スーは肺結核にかかっていた。
日に日にスーの容態は悪くなる一方だった。病気と毎日の無理な売春が
スーの体を蝕んでいき、もうスーの体はボロボロだった。
しかし、スーは前と変わらず売春を続けた。
ファルを守りたい、それだけがスーを支えていた。
ある日の午後
スーはなかなか帰ってこないファルを心配していた。
(どうしたんだろうあの子もしかしたら誰カニ触れたのかも…。)
スーが心配していると、部屋のドアが開きファルが入ってきた。
「ファル!!心配したのよ、何処に行ってたの?」
「おねぇちゃん、これ…。」
ファルは手に持っていた瓶を差し出した。
「これは?」
「あのね、おねぇちゃん毎日苦しそうでしょ、だからこれ
ここのお医者さんに分けてもらったの。」
その言葉を聞いた瞬間、スーの目から涙がこぼれた。
「じゃあ…私のために?」
「うん!!」
スーがファルを抱きしめた。
「私…これ飲んで・・元気に・・なるから・・ね。」
ファルが持ってきたのは、薬湯だった。
スーは早速それを飲んでみた。
「うっ!!」
スーがあまりの苦さに顔を歪める。
「おいしくないの?」
「薬は美味しくない物なのよ。」
薬湯を飲みだしてから、スーの顔色は幾分か良くなったが、
病気は確実に進行していた。
そしてある日
この日は朝から客足がなくスーもベットに横になって休んでいた。
ベットでうとうとしていると、部屋の扉が開き数人の男達が入ってきた。
そこにはファルの姿もあった。
「何故…。」
「この人達はお客ですよ。」
男達の後ろからあの男が姿を見せた。
「今日はこの子の前でやっちゃって下さい。」
男はそのことだけを伝えるとそそくさとその場を後にした。
「さぁて。」
男の一人がスーに近づいてきた。
スーは体を起こそうとするが、体に力が入らずなかなか起きあがれなかった。
男はなかなか起きないスーを無理矢理抱き起こして、服を全てはぎ取った。
全裸にされたスーに男達が群がった。
男の一人がスーの秘部に指を入れた。
男が指を出し入れするとスーの秘部が潤いを帯びていきた。
(ぴちゃ、ぐちゅ)
スーの秘部からいやらしい水音がする。
「ここは、大洪水だな。そんなに気持ちいいかい?」
「気持ち…良くない…。」
男の一物をなめさせられているスーに男が尋ねた。
スー自身も気持ち良いとは思っていないなった。
毎日男に抱かれていたため体が自分の意志とは関係なく体が反応してしまうようになっていた。
「あ〜あ手がこんなになっちまったよ。」
男がスーの目の前に秘部をいじっていた手を向けた。
その手はスーの愛液でべっとりと濡れていた。
「嫌…見せないで…。」
「じゃあ舐めて綺麗にしてもらおうか。」
「でも…。」
「じゃあこっちの子に頼むわ。」
男がファルの方を向いた。
「私が、私が舐めます…。」
「舐めさせて下さいだろ?」
「な…舐めさせて下さい…。」
スーの目に涙が浮かぶ。
「うっ、うぅ・・。」
泣きながら手を舐めるスーをファルはじっと見つめていた。
「よし全部舐めたな。」
男はスーの体を引き寄せて秘部に自分の一物を押入した。
「んっ!!」
スーが思わず声を上げそうになる。
男が腰を振る度、スーは声を我慢した。
しかし、だんだん声を我慢しきれなくなり、次第に喘ぐようになった。
「もうちょっと、こっちに来させろよ。」
「何を…。」
男の一人がファルをスーの目の前に来させた。
「おねぃ…ちゃん…。」
「ファル!!みっ見ちゃダメェ・・。」
スーがファルに気付き見ないように言うがファルはそこからうごこうとしなかった。
「どうだ、姉貴の中を男がかき回しているんだぜ?
なかなか興奮する眺めだろ?」
ファルに見つめられたまま、スーは犯され続けた。
それから数時間後
「じゃあな。」
男達が帰った後もファルはその場を動かなかった。
「うぅ、ひぐぅぅ。」
自分の妹のような存在に行為を見られ、スーは泣いていた。
ファルは依然としてその場を動こうとしなかった。
「ファル…・。」
スーが泣くのをやめファルの方を向いた。
「貴方…どうして…。」
スーがファルに話しかけると、ファルの小さな体が震え目に涙が溜まっていた。
そのとき、スーは自分がファルを傷つけてしまった事を知った。
今一番泣きたいのはファルだと…。
自分の姉が自分のために男達に奉公していた事を始めて知ったファルは
自責の念に駆られていた。
今すぐ泣きたかった、でも今泣いては姉をさらに傷つけてしまう。
ファルは小さいながらもそのことを悟り、必死にこみ上げてくる涙をこらえていた。
「ファ・・。」
スーが抱きしめようと手を伸ばすが、精液まみれの自分の体を見た。
今の自分ではファルを抱きしめてやることさえ出来ないことに気付いた。
「ファル…泣いて…いいのよ…。」
スーがそう言うとファルは自分のベットに潜り込んだ。
しばらくすると、布団の中から嗚咽が聞こえてきた。
スーは必死に体を起こし浴室に向かった。
浴室に入りシャワーの栓をひねるとスーはその場に座り込んでしまった。
「ファル…。」
スーはファルのことを考えていた。
(これからあの子とどうやって話そう…。)
そのことを考えていると、又吐き気に襲われた。
「うっうぇ!ごほっごぼっ!!」
吐血が浴室の床を赤く染める。
(私、もうダメかも知れない…。でも、ファルはあの子だけは
絶対に私のような思いはさせない…。)
スーは朦朧とする意識の中そう堅く誓った。
やっとの事で浴室から出てくると、ファルは泣き疲れたのか、
ベットでぐっすりと眠っていた。
「ファル…。」
スーは眠っているファルの頬を触った。
その感覚はやけに暖かく感じた。
スーはその日どんな辛い事があってもどんなに傷ついてもファルの
笑顔を見る度スーは救われていた。
今にも落ちそうな布団をかけ直すとスーも眠りについた。
翌朝
スーが目を覚ますと、隣にファルの姿は無かった。そのかわり部屋にはあの男がいた
「ファルはもういないよ。」
男は唖然としているスーに言った。
「何故!?私は約束を守ったのに!!」
「昨日の客がファルをずいぶんと気に入りましてね、譲ることにしたんですよ。」
「お願いファルに合わせて!!」
「もう遅いですよ、今日の朝早くあちらさんがむかえに来ました。
今頃はおいしく頂かれている頃でしょう。」
「そんな…………。」
放心状態でいるスーを後目に男は部屋をあとにした。
「うっっぷ!!」
スーは又吐き気に襲われ、血を吐いた。
今度の吐血は今までより比べ物にならないほどの吐血量だった。
スーの体から血と共に力が抜けていった。
スーはベットに倒れ込んだ。
自分の血がやけに暖かかった。
薄れ行く意識の中考えていたのはファルのことだった。
(ごめんねファル…。私貴方を守れなかった・・。私、充分頑張ったよね・・だから・・もう・・休んでも良い・・よ…ね。)
そしてスーの意識は途絶えた。
しばらくして客がスーの部屋に入ったとき、スーは息を引き取っていた
その遺体はごみの様に扱われ二度とサカの地には帰ることは無かった
そしてファルの行方を知るものは誰もいない・・・